恋色模様
お葬式。
「麗、いける?」
「…うん」
「いこっか…」
黒い礼服に身を包み、黒いヒールを履いた。
まだ実感が湧かない。
学園のすぐそばのお葬式の会場だった。
彩愛からは冷たい視線が刺さった。
聖奈はそれに困ったようにおどおどしていた。
謙二郎と託也はそれどころではなかった。
悲しい瞳をしてうつむいていた。
彩愛が私の前にたち、
「麗が陽向を殺したんだよ!!」
そう叫んだ。
会場はざわめく。
「彩愛!!」
「なわけねぇだろ!!」
託也は逃げようとする彩愛を捉え、まっすぐな瞳で、
「麗に謝れ」
と言った。