白い花
正直、野乃香の性格がうらやましかった。

私も、ののみたいに素直だったら。

「なんもない(泣)」

「ま、元気だせよ!」

普通に答えられ、むなしく机に顔を伏せる。

翔くんは…誰にでもやさしーもん…。

好きなのに。

好きと言えない。

好きだけど、告白する勇気はない。

ねぇ…どうしたらいいのかな?

『好き』…ねぇ…。

「おい!!花」

「!?」

顔を上げる。

「おい!!花、音楽の教科書かして」

この声の正体は……翔くんだ。

「え、忘れたの?珍しい。このまま忘れたことにしとけば?(笑)」

私はクスクス笑った。

「いや、無理!俺忘れ物しないキャラ☆だから」

何じゃそりゃ。

「へいへい、私も次音楽だからすぐ返しにきてよね」

口を尖らす。

「はいよーっ!」
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