白い花

振り返った先にはののがいた。

「もう、びっくりさせないでよぉ」

「でもいいじゃん!愛しの王子様が来るじゃないの♪」

ののは私の後ろに回る。

「そりゃ〜…って!そんなんじゃないーっ!」


私がギャーギャー叫んでいると、

「塚本さん」

呼ばれたほうに体を向け、その先には、学校中のモテ男といわれている、

黒川慎くんがいた。


「どうしたの?」


「これ」


黒川くんは私のノートを渡した。


「物理室におきっぱなしだったから」

「あ…ありがとう!!」


そして黒川くんは教室から出て行った。


「いやー、モテ男に声かけられるとか……モテ期じゃね?(笑)」


私はあきれた顔で

「ないない」

と言った。


すると、チャイムがなった。


「授業はじめっぞー」


数学かぁ。


私はノートをパラパラめくっていたら、ノートから小さな紙が落ちた。
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