メモリー
…随分、あっさりしてるんだな。
少しでも長く一緒にいたいと思うのは、あたしだけ??
怒りに似たような悲しみが、あたしの胸に溢れてくる。
『あーもうムカつく。』
気づいた時には、口から出ていた。
なんで、あたしばっかり振り回されてるんだろ。
さっきまでは、あたしが優位に立っていたはずなのに。変なの。
色々考えてるうちに、隼人の背中は見えなくなりそうになっていて。
諦めて家に入ろうとした。
その時だった。
「前田っ!!」