メモリー
『は??お前だけだろ。俺緊張してねぇし』
この期に及んで、まだ嘘をつく俺。
いい加減認めればいいのに、本当に自分が情けない。
「はいはい。じゃ、そういうことにしとくよ。
それじゃあ今度の日曜日ね!!お休み♪」
前田は呆れたように笑い、
それだけ言うと、電話を切ってしまった。
…もっと喋りたかったな。
もっと前田の声を聞きたい。
最初は付き合えるだけでよかったのに、付き合っていくうちにだんだん欲深くなっている。