メモリー
『正直迷惑なんだけど。』
今度は直球勝負で言ってみる。
「やーん。怒ってる桜井君もかわいい」
しかし、やっぱりと言っていいほど、コイツには話が通じなかった。
…どうすればいいんだよ。
もう相手のしようがなくなった俺は、無視をすることに決めこんだのだった。
「あ、彼女さんきたよー」
そう言いながら、佐藤が指をさす。
俺は無意識に、その視線をたどった。
…あ、本当だ。
俺は前田に向かって大きく手をふる。
その手に気づいた笑はこっちに駆け寄ってきた、
その時だった。
「前田さん。初めてまして。あたし、美香っていうの。
今日あたしも一緒にお弁当食べることになったからよろしくね♪」
…はぃぃ!?
「え、あ、はぁ。」
突然のことに戸惑う前田。
…まぁ、そりゃそうだ。