メモリー
走る姿
俺は今、職員室にいた。
「委員長である桜井に頼みがある。」
『はぁ、』
目の前には担任。
俺は感情を露わにするように、思い切り顔を歪ませた。
頭の中に浮かんだ言葉は雑用、雑用、雑用。
めんどくさいんだけど。
まぁ、説教じゃなかったのはよかったけど。
『…で??なんですか。頼みって』
さっさと帰りたい。
その一心だったんだと思う。
どうせやらされるんだから、さっさと終わらせた方が楽。
そう思った俺は、自ら担任に用を聞いた。
「…あぁ、それなんだが…。前田っているだろう?」
すんなりと。違和感なく発せられた言葉。
危うく聞き逃しそうだったけど、俺はある言葉を聞き取らえる。
今、前田って言った?