メモリー
キィィっと、無駄に重たい扉を開ける。
なかに入ると、そこにはもう、加藤が立っていた。
『…待った??』
「ううん。今来たところ。」
一見カレカノ同士の会話に見えるが、そんな雰囲気は全くない。
お互い、相手を威圧的に見ているような…
そんな感じ。
『…で、話って何??
なるべく手短で。』
「…そんなに早く、笑ちゃんのとこ行きたいんだ??」
当たり前の質問をする加藤を、思わず真っ直ぐ見つめる。
だって、当然だろ??
お前と話してるだけ、時間の無駄だ。
『…そりゃな。』
「…そうだよね。」
『「……。」』
沈黙が、流れる。
沈黙が、妙に居心地が悪かった。
できるなら、早く用件を言ってほしい。
そう思って加藤を再び見つめた。
その時だった。