メモリー


     ★★★



『只今ぁ~!!』



あたしはいつものように、誰もいないリビングに声をかけた。


…はずだったんだけど。



「お帰りなさい。」


待ちわびていたのは、怪しいぐらいの笑顔のお母さん。


いつもはいないのに…絶対おかしい。



『お母さん…??仕事は??』



動揺をバレないように、しっかりと笑顔をつくる。



もしかして…通知表を見るために、早く帰ってきたとかないよね??


それは、本当勘弁。


サボってたりしたから、あたしヤバいんだよ。



「何言ってんの。

今日は病院いくから仕事早退するって言ったでしょ。」


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