メモリー
「こんにちは。」
診察室に入ると、あたしの担当のお医者さんがにっこり挨拶してくれた。
青木さんもいる。
青木さんは作り笑いのような笑顔を浮かべている。
その笑顔を見て、あたしはほぼ確信した。
検査結果はあたしの予想通り、悪いものだったんだろう、なって。
「まず、この前の検査結果の結果ですが…。」
お医者さんが喋り出した。
あたしは思わず耳を塞ぐ。
何をしてるんだろう。
もう結果なんて目に見えてるのに。