メモリー
そんな気持ちが恥ずかしさを上回って、あたしは隼人に抱きついた。
その時だった。
――ドン
花火があがった。
『…キレイ…。』
あたしは小さく呟いた。
声が出せなくなるぐらいキレイ。
隼人を見ると、食い入るように花火を見ていた。
あたしは視線を花火に戻すと、目が疲れちゃうぐらいジーッと花火を見つめた。
いつまでたってもこの光景が色あせないように。
何度も何度も浮かんでくる花火を目に焼き付けていた。