メモリー


あたしからしてみれば、この髪の毛は“人除け”で。


友達やクラス、先生や先輩方があたしに近づいてこないように染めたもの。




いらなかった。


外見1つで判断して、あたしから去っていくような友達なんかいらない。


金髪でも、不良でも、柄が悪くても一緒にいてくれるような、“親友”みたいな存在もいらないから。




人というのは、あたしが思ったよりもずっと単純で。


髪型1つで簡単に、あたしから離れていく。



そんな単純な人たちに、あたしは救われていた。




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