メモリー

『「……。」』


あたしたちは沈黙のまま、互いの温もりを感じあっていた。


感じていたんだ。


時間が迫ってきてるのを。

時間がないことを。


この時間が終わってしまったら、あたしたちはもう二度会えないかもしれない。



ポロッ


あたしの目から1つ、雫が落ちた。


それに気づいた隼人はあたしを見る。


あたしは慌ててごまかした。


『あれ??おかしいな。なんで涙が出てくるんだろ??』


言ってて思う。

あたしってバカだなって。


全然ごまかせてないじゃん。


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