メモリー

ガラガラガラ


勢いよく扉が開いた。


「笑ちゃん、手術室への移動お願いします。」


タイムリミット。


幸せな時間は終わり。


あたしは重たい腰を上げてベッドを立った。



「笑!!」






「帰ってきたら、続きしような。」



隼人は意味ありげに二ヤッと笑った。



――帰ってきたら。


そうだね。

絶対しようね、



『うん!!』


あたしは今までにないってぐらいの笑顔を返した。



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