メモリー
窓からの景色
★隼人目線★
『あ、またいる。』
窓側の席から外を眺め、視線を“奴”に動かす。
俺、桜井隼人(さくらいはやと)は最近、窓の外を眺めるのがマイブームだったりする。
そんなわけで、いつものように外を眺めてたんだけど…、ここ最近見ることなかった“奴”が芝生に寝転んでいたのだ。
――前田笑。
同じクラスで、俺の隣の席の女。
隣の席、なんだけど。
俺の隣はいつだって空っぽで、つまり前田は学校に来ていない。
たまにきてる時もあるが、それ本当にごくまれで、だとしても居眠りばかりしている。
そんな、よくわからない奴。
その前田が、学校の近くにある空き地にきていたのだ。