メモリー
一体、何をしているっていうのだろうか。
こっちは受けたくもない授業に、必死にでているっていうのに、堂々とサボりやがって。
理不尽な妬みと煮えきれない感情が、俺の頭をグルグル回る。
…そんな前田だが、実は俺にとって、少し気になる存在だった。
――あれは、去年の夏ぐらいだったかもしれない。
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『あーまじ、くそだりぃ。』
夏休みにある臨時の委員会の帰り道。
なんで夏休みに委員会があるんだなんて、心のなかで不満を漏らしながら、いつもの道を歩いていく。
本当、暑さで溶ける。
それに今日は、見たいテレビがあったのに。
委員会終了時刻より30分も長引くとか、ないから。