派遣先の研修
北野森の両肩に手を置いて{落ち着いて聞け」とウエサトは言った。



「穂高が殺された」
「え……」



「警察から問い合わせがあったんだ。火事があったアパートの前に、穂高の車があったらしい」
「え?」
「4丁目に誰も住んでないアパートがあるんだよ。草ぼうほうの駐車場がある……」
「ああ、わかります」

穂高が死んだ? 
まだ、ことの次第が飲み込めない。

「例えば……穂高が車を貸した、とかじゃないですか?」
「そうかもしれないな。穂高の奴、研修を受けてなかったのか」
「……はい……。でも、なんで……」
「警察が来てる。これから、その死体が、本人かどうか確かめに行く。お前も来い」

店長のイトウとウエサト、そして北野森は、駅の近くにある、警察署へ出向いた。
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