派遣先の研修
幽霊を車に乗せる。
タクシーだとよくある話だが、まさか自分が体験するハメになろうとは、思っていなかった。
東京を出て1時間。彼女の生まれた町へやってきた。
海岸では、恋人たちがはしゃいでいる。
彼女に時々、道を聞き、海辺に建つ一軒の家に辿り着いた。
家には誰も住んでいないようだ。
「……」
どうしたらいい……?
「お墓の場所は覚えてますか? ご先祖の」
「それなら近くのお寺にあります」
「わかりました。案内してください」
彼女は先に立って歩き始めた。
石の階段を上る。
(自分が死んでることに……本当に気付いてないのかな……?)
その寺の裏手に、墓地があった。
「ここがあなたのおうちです」
タクシーだとよくある話だが、まさか自分が体験するハメになろうとは、思っていなかった。
東京を出て1時間。彼女の生まれた町へやってきた。
海岸では、恋人たちがはしゃいでいる。
彼女に時々、道を聞き、海辺に建つ一軒の家に辿り着いた。
家には誰も住んでいないようだ。
「……」
どうしたらいい……?
「お墓の場所は覚えてますか? ご先祖の」
「それなら近くのお寺にあります」
「わかりました。案内してください」
彼女は先に立って歩き始めた。
石の階段を上る。
(自分が死んでることに……本当に気付いてないのかな……?)
その寺の裏手に、墓地があった。
「ここがあなたのおうちです」