お隣さんの隣
ピンポーン
「あ、はいはーいっ」
ドアを開けると…
「燕君っ」
『久しぶりですね、お邪魔します』
2人で向かうのは私の部屋。
『…また散らかして』
「あは…」
最初は汚いと思われるのが嫌できれいにしてたけど、今はもう…心許してるわけだし。
「そだっ!はい、これ」
そう言って私が差し出したのはシャーペン。
「私が受験の時に使ったやつ」
『なんとも落ちそうな』
「しっ失礼な!」
せっかくの人の好意を!
『嘘ですって。ありがとうございます』
急に優しく笑うからずるい。
カッコいいって思ってしまうから。
「絶対受かってね」
『当り前です
……とその前に………』
「うわっ…何す…」
『願掛けです。後充電』
痛いくらいに抱きしめられる。
燕君の匂いだぁ。
『シャーペンより佐奈です』
な……なんかシャーペンと比べられるってのも……。
ま、いっか。