お隣さんの隣
燕君はズルい。
私を上手く丸め込んじゃって。
私は何もわかってなくて燕君だけが全部分かってるみたいで。
入学式は終わったけど新入生は整列して教室に戻って行ってしまったから燕と話をすることは出来なくて。
『ね、あんたの彼氏違う学校なんじゃなかったの?』
「私だって意味分かんないよっ」
『……可愛い彼氏』
「へ?何が?」
『べっつにー』
夏樹ちゃんニヤニヤしちゃって気持ち悪い。
「あ…メール」
“理科室に来て下さい”
燕君からだ!
「夏樹ちゃんっ、ちょっと行って来る!」
私は理科室へ走った。