お隣さんの隣
『本当なんで嫌なのか分かんない…』
「嫌っていうか緊張すんじゃん?」
だって部屋に男の子とふたりっきりなわけだし。
『恋愛対象外なんでしょ?』
「でも年上みたいに落ち着いてるし」
私も最初は年上だと思ったしね。
『“年上みたい”なんだったら対象内じゃない』
「でも年下は年下だもん」
『…もう言ってることむちゃくちゃだし…』
何を言っても反論する私に夏樹ちゃんは疲れたようにため息をついた。
だってこんなの始めてなんだからしょうがないじゃないっ。
――って…
「えーー!!」
『うっさいなぁ、もう』
だだだ、だって
今きたお母さんからのメールの内容が…
“家庭教師の日は月曜日と金曜日に決定しましたっ。ちなみに月曜日は佐奈のお部屋で金曜日は燕君のお部屋です☆”
だったんだもん!
語尾に可愛く☆マークつけてお知らせされても私の焦りは薄まらないしっ!
「しかも月曜日って今日じゃん…」