お隣さんの隣


そう言われれば…。



「なんでなんだろ…」

『今まで疑問に思わなかったの…?』





というよりそんなこと気にもしなかった。
燕君との毎日は楽しかったからきっかけなんて忘れてたのかもしれない。




でも今になって気になってきた。



燕君に家庭教師…ましてや私なんかは必要ない。
それなのに燕君はお母さんの提案に同意した。
あの時確かに『助かりますね』って言ったのは燕君だ。





『絶対何かあるはずよ…』


夏希ちゃんは不気味にニヤリと笑い、私の状況を楽しんでいるように感じる。



『今日約束したんでしょ?何気な〜く聞いちゃいなっ』



…夏希ちゃんの言い方は若干腹立つものの、私も気になるし聞いてみるか。






『…で、その事もふまえてまた色々聞かせてねっ』

「え?」


夏希ちゃんはウインクしながら言ってくるのに“色々”が何なのか分からない。




色々って…もうだいぶ話したつもりだけど…。





『最初嫌がってた佐奈がどんな風に電話する仲にまでなったのか、ってことよ』

「なっ!」




こいつ心から楽しんでるな……。


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