お隣さんの隣


近寄ってまず思ったこと…





…制服かっこ良い!







冬休み前の学校がある日でも、燕君はいつもジャージとかラフな格好に着替えて家庭教師にやってきていたので、制服を見るのは初めてだった。





「何で着替えてないの?」

『学校から帰ってすぐ佐奈からメールがきたので着替える時間がなかったんです』





その理由に、急いでくれたんだ…。悪いことしたなぁ。





なんて考えていると、








『どうです?制服姿の俺は』



とかすんごい笑顔で聞いてきて、その燕君も勿論私の胸をきゅんと鳴らす。



「かかかっこ良いと思うよっ」




夏希ちゃんの言うとおり“電話までする仲”とはいえど、電話っていうのは顔が見えない訳で、その分恥ずかしさは数段減少する。

だから電話ではスムーズに話せて、ましてや“先生”なんて簡単に言ってるけど現物を目の前にして、しかもかっこ良いことされたり言われたりするとやっぱり、今だに緊張する。




『それ本当に思ってますっ?』



それでいつもしどろもどろになってしまう私の誉め言葉を、燕君はあまり信じてくれない。



< 28 / 113 >

この作品をシェア

pagetop