お隣さんの隣
近寄ってまず思ったこと…
…制服かっこ良い!
冬休み前の学校がある日でも、燕君はいつもジャージとかラフな格好に着替えて家庭教師にやってきていたので、制服を見るのは初めてだった。
「何で着替えてないの?」
『学校から帰ってすぐ佐奈からメールがきたので着替える時間がなかったんです』
その理由に、急いでくれたんだ…。悪いことしたなぁ。
なんて考えていると、
『どうです?制服姿の俺は』
とかすんごい笑顔で聞いてきて、その燕君も勿論私の胸をきゅんと鳴らす。
「かかかっこ良いと思うよっ」
夏希ちゃんの言うとおり“電話までする仲”とはいえど、電話っていうのは顔が見えない訳で、その分恥ずかしさは数段減少する。
だから電話ではスムーズに話せて、ましてや“先生”なんて簡単に言ってるけど現物を目の前にして、しかもかっこ良いことされたり言われたりするとやっぱり、今だに緊張する。
『それ本当に思ってますっ?』
それでいつもしどろもどろになってしまう私の誉め言葉を、燕君はあまり信じてくれない。