お隣さんの隣


『強制ですんで』


燕君に腕を掴まれてグイッと引き寄せられる。




あわわわっ!
どうしようどうしよう!!




「ありがたいけどっ…私重たいしっほらっ、あのさっ」




なんなら私が前でもっ!




せめてそっちの方が…!





後ろに乗らない理由を必死で探して、そう抗議しようと思ったのに、



『早くして下さい』




慌てふためく私は燕君の鋭い目に捕まってしまった。






「は、はい。すいません…」


捕まったら最後、逃げることはできなくて。
思わず返事をしてしまう馬鹿な私。



やっぱり私って馬鹿なんだ…。







うぅっ…



結局荷台に乗っちゃったし…。



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