お隣さんの隣


今分かることは、暗いってこと。




後は…なんか燕君の匂いがして、唇になんか………






違和感?






まさか…






「のあーーー!」


私は叫び声と共に両手を前に突き出した。

すると途端、視界は明るくなった。





「い、今、ちちちちゅーしたでしょっ!」





目の前には私に突き飛ばされて尻餅をついている情けない格好の燕君。



「なんでっ?なんで!?」




私が必死になって理由を問うと、燕君はゆっくりと立ち上がった。




『したかったからです』






したかったからです、って……したくてもしちゃだめでしょうっ!キスってのは、互いの了承を得て……、




って今のってキス?


ちゅーってキス?




…ってことは、私もしかしなくても、人生初の……ってことは、今のがファーストキス……?



やだ。


やだ。




「やだやだやだ!最低!バカバカっ、帰ってよーーっ」




やっと自分にとっての事の重大さに気付いた私はまるでヒステリックでも起こしたように、燕君に向かって叫んだ。



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