お隣さんの隣
決戦当日金曜日。
場所は敵の陣地。
時間は………放課後、かな。
「い゙ぎだぐな゙いー」
『だめ、行きなさい』
「ゔぅ゙」
よりにもよってなんで金曜日なのっ?
燕君の部屋行かなきゃならないじゃない。
やだやだー!
気まずい
気まずいっ
気まずいっ!!
『だだこねても無駄なの。
てかあたしも帰りたいんだけど。菜月待ってるし』
時間というのは難しいもので、早くすぎてほしいと思えば遅くすぎ、すぎてほしくないと思えば早くすぎてしまう。
だから既に今は金曜日の放課後。
金曜日ということは燕君のお部屋で勉強する日ってこと。
「見捨てないでよ〜っ」
『やだ、帰る』
夏樹ちゃんは、腕にしがみつく私からするりと抜けて、菜月君の方へ行ってしまった。
「行くしかないよねぇ…」
渋々ながらもやっとのことで決心をつけ、教室を出た。