お隣さんの隣


『俺は佐奈の“普通”、好きですよ』




「っっ何言って……!」


思いの他私の足は速かったみたいで、門から結構離れてたからよかったものの、すす好きとか………好きとかっ好きとか!

さらっとゆうなぁ!!









「……ってさらっと普通って認めないでよっ!」



危ない、危うく聞き逃すところだった。



自分で言うのはいいけど人に言われるのは嫌だよ、そりゃ。





『普通というのは案外難しいものです』

「…そうなの?」


『そうです。

ですけど難しいことが良いこととは限りませんよ』


「…………」



ってことは結局どういうこと?





「頭の良い人の言うことって分かりにくい」


『それは佐奈が馬鹿なんです』


「馬鹿じゃないっ!」






なんだ、意外と普通に話せてるじゃない。
燕君だっていつも通りだし。



< 48 / 113 >

この作品をシェア

pagetop