お隣さんの隣
「お客さんて誰なの?」
お母さんがいたドアの方を見る。
「もう、いないし…」
既にそこにはお母さんの姿はなくてドアが開けっ放しになっているだけだった。
「お母さーん?」
大きな声で呼び掛けながら階段を降りる。
「ねぇ、ったら!……って……」
リビングのドアを開けて唖然とした。
ドアを開けてまず目に入ってきたのは、必死にソファーやらテーブルやらを片付けるお母さんの姿だった。
「……普段から綺麗にしてればこういう時焦んないでいいんだよ…?」
『だって〜』
いい年こいて“だって〜”とか言わないでもらえますか…
『佐奈だってお部屋散らかってるじゃないっ』
「私はいーの!どーーっせ中良い女友達くらいしかこないんだから」
私はやけくそ気味にそう言った。