お隣さんの隣
ダンッ!
『からかってなんかいません』
顔の横には燕の手があって、その手はさっき大きな音をたてて壁につかれたのだ。
燕君の顔は真剣そのもの。
「う、あ…」
突然の事で上手く言葉がでない。
燕君が、怖い。
「ごめ『なぁに〜?なんか大きな音したわよぉ?』
わけ分かんなくなって謝りかけたその時、リビングからひょっこり碧さんが顔を出した。
『何でもないよ、気にしないで』
『そう…、じゃあ佐奈ちゃんお勉強頑張ってねっ』
「はっ、はい。お邪魔しますっ」
碧さんは相変わらずの癒し系スマイルでリビングへ戻ってった。
『さて、部屋に行きましょうか』
えっ!?
ちょっと、さっきのは…?
碧さんから燕に視線を戻すと、そこには既にいつも通りの燕君がいた。
『つったってないで、ほら、行きますよ』
「う、うん…」
一体何だったんだろ…。