お隣さんの隣
伝えた後は心地好いドキドキ。
『…………』
でも心地好さに浸っている場合じゃない。
何故か燕君は黙ったまま。
伝わってない?
「あの…好きです…」
もう一度、しっかり聞こえるように顔を近づけた。
『うわっっ』
……え?
目の前にいるのは信じられない燕君。
あの燕君が……
あの燕君が赤面してる!!!!
「嬉しいの?」
夏樹ちゃんの時でも分かるように、私は自分が優位にたつと途端に強気になる。
『佐奈が…驚くようなこと言うからですよっっ』
腕で必死に顔を隠そうとする燕君は、いつもの意地悪さはかけらもなく、ただただ可愛くて、ずきゅずきゅ私の胸に矢がささる。