お隣さんの隣
あの後、燕君は先生にすぐ戻りますって言っちゃったし、教室に戻って、私はもう一度高校へ戻った。
昼休みに担任に『鞄があるのにお前だけいないとはどうゆうことだ!』って怒られちゃったけど、上手い言い訳が思い浮かばないくらい私の頭はぷわぷわしてて。
『聞いてるのか!』
ってさらに怒られてしまった。
『おかえり長かったね』
「疲れた…」
ご飯を食べながら私が戻ってくるのを待ってて夏樹ちゃんが、やっと聞ける、と言わんばかりに目をキラキラさせた。
『詳しく聞かせなさいっ』
「あのね…」
私はポツ、ポツと話はじめた。
「…と、まぁこんな感じなんだけど」
『ぷっ』
夏樹ちゃんの反応を伺うと、何でか分からないけど笑われた。
「なんで笑うのぉ!」
『だって…教室に乗り込む佐奈も佐奈だし…怒られるに決まってるじゃん』
あの時はいっぱいいっぱいで何も考えてなかったの!
『それに…』
「ん?」
まだあるのかと、耳を傾けた。
『いやぁ、年下ボーイも我慢したなぁって』
「へ、何を?」
聞かなきゃ良かった。
次の夏樹ちゃんの言葉で私は一気に真っ赤になってしまうことに。
『多分めちゃめちゃにキスしたかったんじゃないかな』
「ぶはっっ!
んんんなわけないでしょ!!」
危うく飲んでいたお茶を吹き出しかけた。
『逆になんでしなかったんだろ…』
そんな私とは正反対に、夏樹ちゃんは冷静に分析している。