お隣さんの隣
IN燕君宅
「先生!質問です!!」
『はい、どうぞ』
数学の勉強中に恋愛の質問をするのは少し気がひけるけど。
気になっちゃって数式が頭に入らない。
「んとね…燕君と私ってカップル?」
『はいぃ?』
予想外の質問に目を見開く燕君。
私の中学校乗り込み事件の後…つまり告白の後、さっき初めて会ったのに、何となくその話題には触れてなかった。
「ねぇ、どうなの?」
『えっ、あ〜、俺はそうなればいいなぁと思ってましたけど…』
“佐奈は違うんですか?”と心配そうに私の顔を見つめる燕君。
「私だってそうなりたいと思うよ!だけどね…」
私は自分の思ってたことを燕君に伝えた。
『あぁ、そうゆう考えもありますよね』
良かった、私変じゃないんだ。
『でも……』
え!?
やっぱり私おかしい!?
心配になって燕君の次の言葉を待つ私の耳に届いたのは、燕君の男の部分だった。
『その佐奈の言う“つきあってない好きと伝えあった同士が、一緒にいる時間”というのは
―――キスなどはしていいんですか?』