お隣さんの隣
キス?
って!
「燕君もうしたじゃん!」
自分で言っておいて、あの時のことを思い出して赤くなる。
赤くなったことが恥ずかしくて、ちらりと燕君の顔を見ると、
『あ…あれは、その……すみませんでした』
また、あの顔だった。
辛そうな顔。
もしかしてまだ気にしてる?
「……あの時私ね、嫌だったんじゃなくて、只びっくりして、混乱しちゃって…それに……心のどっかでは嬉しかったから……」
夏樹ちゃんが言ってた、燕君がキスしなかった理由は、前のことがあったからなのかもしれない。
だとしたら今すぐにでも、笑顔にしてあげたい。
「…キスしていいよ?」