お隣さんの隣
言ってしまった……
『いい度胸ですね』
燕君は1つため息をついて、それからニヤリと笑うと、顔を私の顔ギリギリまで近付けた。
キスされるんだ
と思ってそっと目を閉じる。
「………」
でも一向に唇にあの感触は感じられなくて。
片目だけそぉっと開くと、そこには燕君のニンマリ顔。
「な……なに?」
『俺…また佐奈に拒絶されたらどおしよって、自信ないんです』
言葉とは裏腹に、燕君は何か企んだ顔をしていて。
そして信じられないことを言った。
『だから佐奈からお願いします』