お隣さんの隣


お茶を入れて皆の座っているテーブルに行くと、空いてる席は男の子の前の席で、私はここに座らなければいけないようだ。



お茶を1つずつ置いて席に着いた。


『改めてこれからよろしくお願いします』

お母さんと一緒に“お願いします”とかえした。



今日はお引っ越しの挨拶なのか。


そうかそうかと納得していると今まで黙っていた男の子が口を開いた。



『坂口燕です。
よろしくお願いしますね』



「………」

『あの』

「………」

『大丈夫ですか?』


「は、はい!」


近い近い!
あ〜びっくりした。



私の返事がないのを心配して、机を乗り出して私の顔を覗くようにしてきた男の子に思わず大きな声を出してしまった。





…で、なんで返事がなかったのかというと……







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