お隣さんの隣
『それは……っ』
顔を歪める燕君。
「なんでもいいの……」
『え…?』
こんな気持ちは嫌。
だから、なんでもいいから。
理由なんて適当に考えて私を騙してくれたらいいの。
燕君のかしこい頭なら楽勝でしょ?
『俺は…!』
「やだ!」
もうなんか嫌。
やだやだ!!
頭ん中ぐちゃぐちゃだし、さっき思ったことだって只のその場しのぎにしかならない。
「やっぱり何も聞きたくない!」
『え?佐奈!』
はたからみれば、私わけ分かんないよねぇ。
頭の中は大人なのに、行動は矛盾してる。
『待って下さい!』
私は部屋を飛び出した。