お隣さんの隣
燕君たら、運動神経もいいんだから。
私は階段の途中いとも簡単に捕まった。
碧さんは買い物に行ってるから、いないのがせめてもの救い。
『こんなことになるなら意地はらないで言えばよかった』
「なんの話……」
振り払おうとしていた腕を思わずとめてしまった。
『俺には邪魔なものがあったんです』
「邪魔?」
怖い。何言いだすの?
『そいつは()に守られて俺達に付きまといます』
()に守られて…………?
誰そいつ!?
『その名も(仮)です』
「…………」
(仮)……………。
まさか……
「(仮)が嫌なの……?」
『正解です』
燕君の様子をおかしくさせていたのは私の変な考えのせいだったんだ。
「ごめんなさい…」
燕君を苦しませて、苦しんでる燕君を責めたりして。
本当カスだな…私。
『この際俺の願いは只1つです』