DEATH GAME
「海斗!
いきなり後ろから声掛けないでよ!」


あたしはたいして怒ってもいないのに、ほんの少し声を荒げて海斗に言った。


「悪ぃ悪ぃ。悪気はなかったんだけど……」


すると海斗は、両手を軽く広げておどけた調子で言う。

……結衣はそんなあたし達の姿を見てニヤニヤ笑っている。

またいつもみたいに『お似合い』だとか言い出すのだろうか……



すると案の定、結衣は尚もニヤニヤしながら、何か言おうと口を動かし掛けてやめた。

……きっと発言すればあたしに怒られるような内容だったから、言うのをやめたのだろう。



……そんな分かりやす過ぎる態度が逆に鼻につく。




あたしはそんな結衣をあえて無視して、海斗と話し続ける事を選んだ。




「そーいえば海斗、あんた昨日メールで一夜漬けだとか言ってたよね?
あの後ちゃんと今日の分のテスト勉強出来たの?」


「あぁ〜
うん、まぁ、まあまあかな」


あたしの至って健全な質問に、海斗はものすごい量の汗を額に浮かべて答えた。




……この様子じゃ、昨日の夜は大好きなゲームをやって潰したな。


あたしは幼なじみである海斗のだらしなさに呆れながらも、これで仲良しグループの中でビリの点数になる事は無いと、心のどこかで安堵していた。
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