DEATH GAME
「あー!つうかマジやべー!!こんな事なら計画的に勉強してればよかったわ!
今回バツゲームうけんの間違いなく俺だし」


「やっぱり勉強してなかったんだ……」


あたしは突然真実を暴露した海斗を、冷めた目つきで見据える。

もう、ほんっとーにだらしないんだから……





「気にすんなって海斗!
俺も保体しか勉強してねーよ!」


「……お!真一!!」


あたし達二人が結衣の事を置いてきぼりにして話していると、結衣の背後から、真一がヒョコッと出てきた。


「大体なー、アカリとあいらが真面目過ぎんだよ。
まだ高二なんだし、気楽に行こうぜー」


「そうだよ。僕も保体以外勉強してないし」


真一があまりセンスのいいとは言えない香水の香りをプンプン匂わせながら喋っていると、今度は翼が話に入って来た。そしてそんな翼を見て話に入って来たのはあいらと小春。


「朝からうるさいわね!あたしとアカリが真面目なんじゃなくて、あんた達が馬鹿過ぎるのよ。
ってか、翼はアニメでも見てなさいよ!いちいち話に入って来ないで!」


「……こらこら、もう、あいらは毒舌なんだから!
ほら翼、あんたもいちいち落ち込まない!」


「うぅー小春ちゃぁん……」




ていうか、真一と翼が『保体』しか勉強してないって事には、皆スルーなんだね……
しかも保体は明日テストする教科なのに……




あたしはあたしと同じく話に入り損ねた結衣と、顔を見合わせて苦笑いをした。

きっと、結衣も今あたしと同じような事を考えていたのだろう……





でも、何だかんだで仲のいいあたし達。
まあ、あいらは翼の事をちょっと嫌っているようだけど……
でもそれが本気でじゃないという事は誰から見ても分かる。
本気で嫌っていたら普通、自ら話し掛けたりはしないだろう。




……そこであたしはある一つの事に気付いた。



そういえば、大地は今どこにいるんだろう。

まだ学校に来ていないのかな?
< 9 / 10 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop