《短編》夏のある日。
「あっ夏祭り!」

緑の声でふと顔をあげるとそこには浴衣をきて屋台に並ぶ人がたくさんいた。

「う…わぁ…」

これが夏祭り…

「どうしました??」

緑が私の顔を覗きこむ。

「夏祭り…初めてなの。」

「え??」

"夜は冷えてすぐ体調を壊すから…"
"人がいっぱいいるとこに行くと具合悪くなるでしょう??"

いつも母親に言われて一度もくることができなかった。

「みんな楽しそう…」

いつもそうだった。
体が弱いからって体育祭も出してもらえなかった。
体育だってでれなかった。修学旅行なんか母親同行で。

「行ってみます??」

「いい…の??」

「もちろんですよ。」

たぶん今まで中でこんなふうに笑ったのは初めてだったと思う。

「ありがとう!!!!!!」
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