わたしの存在




「わたしたちは
大きな、大きな
空間の中の
小さな、小さな
動物にしかすぎないんだよ!



だからね、この世界で
自分が一番偉いだとか
自分は特別だとか
なにか自分に格をつけてる人もね、

大きな空間からみると
ただのちっぽけな動物なの」


…えーっと、言いたい事わかる?
と、興奮に心を乗せながらわたしは確認する


「…わからなくもない」


少し間が空いた後
優しげな目をわたしに向けて
隣にいる彼は一言を放つ



少し見つめられて
ドキッとしたが続けて会話を紡ぐ


「え…えっと、
広い空間の中には
わたしたち以外の動物がたくさんいるの!


きっと息をしてるわ!


他に違う歴史を歩み、
もしかしたら
わたしたちの歴史にある
人と人の殺し合いなんて
バカなことしてないかもしれない。


卑怯な感情さえなければ
起きない事もある


あのね、すごく広いのよ
外の世界は」



「宇宙はひろいから想像が膨らむね。」


彼は低く滑らかな声を囁く


私は彼を見つめ
少し言葉を置く。



「…うん、


そうね、宇宙。
でも好きじゃないのよ
宇宙って言う言葉。
宙に浮くって単純というか…まあ、いっか


でね、
…こんなこと考えてる人、多数いるのだろうけど



魔法を使えたりする惑星もあるかもしれない


わたしたちより長い歴史があって科学がわたしたちの考えられない所まで発達してるかもしれない!


顔や体の構造とか
まったく別者だったり
想像したら止まらないけど

想像すればするほど
とても興奮しない?」


鼻を膨らませて
満足げに語るわたし。
夜空をみつめると
星と星が会話してるかのように煌めいている
…ように見えた。






< 11 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop