夢と恋のあいだ
戒は考えて、また顔をあげた。







「前…お前に嫌な思いさせただろ。」



「前?」



私はこの前 戒と遊園地に行ったときのことを思い出した。




「まぁ…それの償いっつーか。」












そうか。



そのために今日私に会いにきたんだ。



だから今日優しいんだ。





戒は私のために優しくリードしてくれたんだ…




だけど




「奈子?」





私を誘いたくて誘ったんじゃないんでしょ?




溢れてきた涙に戒も驚いた。





「なっ何泣いてんだよ?どうかした…」


「違う。違くて………」




止まらない涙を何度もこすりながら私は唇を噛み締めた。








「あっ!戒様!?」



へ!?




振り向くとそこには真っ黒なスーツを着た怪しい男がいた。





「ヤバイ。」



戒は私の腕を掴むと私を引っ張って走り出した。





「何!?どうしたのよ!?」




「早く見つかったな…」




戒の顔は見えなかったが、とにかく見つかったらヤバイということを知った。










…戒って本当に謎だらけ。
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