REVERSI
「吉沢さんと一緒って初めてっすねー」
明るい。その常に高いテンションが尊敬出来る。ツトムは犬みたいにキラキラした瞳であたしをみている。
「スイーーツっすよ!俺、こうみえて甘いもん大好きなんですよね」
ホクホクと口元を綻ばせるツトム。いや、『こーみえて』って所いらないけどね?
「吉沢さん、なんか甘い物嫌いそう」
クリッとした瞳があたしを覗きこむ。フワフワした髪の毛が揺れた。
「別に、嫌いじゃないけど?」
むしろ、好きだけど。
「えー意外。吉沢さんはコーヒーはブラックで、甘いものは食べないのタイプだと思ったんだけど」
どんなタイプだそれ。
「残念、甘い物好きだし。今日はあたしが試食担当ね」
ニッと笑ってツトムの肩を叩く。ツトムは心底残念そうな顔で「レディファースト…」と呟いていた。