REVERSI
* * *
【a】を出て、外の空気にあたりながら、京ちゃんと肩を並べる。もうすぐで暖かくなる筈だけど、今年はまだ寒い。去年の事なんて忘れたけどね。
「あ、結局、京ちゃんは何してる人なの」
忘れてた。聞いてないじゃん。
「覚えてた?珍しいー、なんか今日のひじり変」
京ちゃんはそう言った後、もう一度あたしを見て、まあ、いつも変だけど。と呟く。言ってくれるじゃないの。
「俺ねー、ミュウジシャン」
「はぇ?」
「来月、メジャーデビュー」
「うそ?」