REVERSI

* * *

【a】を出て、外の空気にあたりながら、京ちゃんと肩を並べる。もうすぐで暖かくなる筈だけど、今年はまだ寒い。去年の事なんて忘れたけどね。


「あ、結局、京ちゃんは何してる人なの」


忘れてた。聞いてないじゃん。


「覚えてた?珍しいー、なんか今日のひじり変」

京ちゃんはそう言った後、もう一度あたしを見て、まあ、いつも変だけど。と呟く。言ってくれるじゃないの。


「俺ねー、ミュウジシャン」


「はぇ?」


「来月、メジャーデビュー」


「うそ?」




< 148 / 423 >

この作品をシェア

pagetop