REVERSI
「うん。嘘」
ククッと笑う悪戯っ子みたいな笑み。
「信じそーになったじゃん」
本当に。しかも、なんか似合うし。
「だとかっこいーかなと思っただけ~」
ああ、もう緩過ぎる。
「で、結局なんなの?」
「うわ、冷たいその口調。ひじり怖い~」
だけど、確かにスーツ姿の京ちゃんは想像出来ないな。うん、似合わない訳じゃないと思うんだけど。
「…聞いてない?ひじりってムカつくよね~」
「はいはい。もう、いいや。めんどくさっ」
「うわぁ、会話のキャッチボールする気ゼロ?」
京ちゃんは相変わらずトーンの変わらない口調でそう言った後、タバコに火をつけた。