REVERSI

「うん。嘘」


ククッと笑う悪戯っ子みたいな笑み。


「信じそーになったじゃん」


本当に。しかも、なんか似合うし。


「だとかっこいーかなと思っただけ~」


ああ、もう緩過ぎる。


「で、結局なんなの?」

「うわ、冷たいその口調。ひじり怖い~」


だけど、確かにスーツ姿の京ちゃんは想像出来ないな。うん、似合わない訳じゃないと思うんだけど。


「…聞いてない?ひじりってムカつくよね~」


「はいはい。もう、いいや。めんどくさっ」


「うわぁ、会話のキャッチボールする気ゼロ?」

京ちゃんは相変わらずトーンの変わらない口調でそう言った後、タバコに火をつけた。




< 149 / 423 >

この作品をシェア

pagetop