REVERSI
京ちゃんのマンションへ向かうタクシーの中で、京ちゃんがあたしの肩にもたれ掛かる。
京ちゃんは男のくせに小顔だから、あたしと並んだらあたしの方が顔がデカいんじゃないかと心配になる。窓ガラスに映る自分とそれに反射する街のネオンを眺めながら、やっぱり、一人でいたくない。そう思った。
鈍い痛みがいまだに走るのは、後悔からなのだと分かってる。もう戻れない。やり直せないから、過去。誰でも抱えてるだろうソレはいつだって、軽くないんだ。