REVERSI
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「すまないな」
少し細まる目元。目尻の泣きボクロに無意識にドキとしてしまう。
ライトに調和される濃紺のスーツ。真っ黒な髪と同系色の瞳は、僅かに光を踊らせる。
なんていうのかな、この人のはもう、感情とかそういう次元じゃなく、見てるだけで引き込まれる。
いや、物凄くタイプなのは本当なんだけどね。
「いいえ。り、久瀬さんも忙しいでしょ」
思わず、僚、と呼びそうになる。
感づいたのか、僚は
「僚で構わない」
とフと笑った。