REVERSI
こうして、肩を並べるなんて本当何があるか分からない――
この間もそう思ったけど今日は余計そう思う。
ゆっくりとした時間の流れは嘘みたいで、
「聖、俺の秘書にならないか」
うん、そう秘書に…秘書っ!?
唐突だ、本当に。唐突過ぎる。
「えっ!?なんですか、それ、秘書!?」
あうあう、なんかテンパる。
「ああ。秘書など取らない主義だが。聖なら問題ないだろう」
いや、意味が。
「え、っと。つまり僚はその会社の重役?」
秘書、って事はそうだよね?いやその前に、何してるの、
「製薬会社の専務だ」
そう、専務か、
「いやいや専務って!!」
何、それ。口調が何気無さ過ぎて、聞き流してしまいそうになるんですけど。