REVERSI


「秘書は無理です」


どう取り繕っても浅はか過ぎる。


「そうか。残念だ。では気が変わるまで待とう」

「変わりません」

「強情だな。悪くない」

「何がですか」


もう、この人。こんなキャラだった?


実際、僚の本質を知る程時間を重ねた訳じゃない。


「こんなに強引な人知りません」


あたしは軽く溜め息をつく。


「多少強引な方が何事もうまくいく」



僚は当たり前のようにそう言って笑った。



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