REVERSI
「聖、」
僚があたしを見つめる。何も迷いのない真っ黒な色は出会った時から全く変わらない。一番印象的な色。
「俺の価値観は俺が決める。いいか?」
有無を言わせない、口調。
「選んだのが『終わり』なら好都合だ。今が始まりだと心置きなく言える」
自信あり気に微笑む姿は思わず見惚れるくらい魅力的で、
ズルい。
『始まり』だったと言えば、またいいように解釈されてしまうんだろう。
じゃあ初めからあの質問なんて無意味だ。
本当に、何から何までかなわない。